近代絵本の原点

ウォルター・クレーン(1845〜1915)



雑誌「パンチ」誌などに挿し絵を描いていたクレーンが、エヴァンズによって見いだされて、初めて絵本(トイブック)を出したのは1865年で、以降ラウトリッジ社から10年間で50冊ほどのトイブックを出版した。テキストは、わらべうたや、昔話が多く、中には日本の浮世絵の影響をうけ「団扇や日本人形など」を描き込んだものもある。その多くは装飾性に富んだ独自の様式美を目指したもので、これは当時の芸術運動(ラファエロ前派)の影響や、装飾的芸術家であり、社会運動家でもあったウィリアム・モリスとの親交が大きかったようである。『幼子のオペラ』『幼子のイッソップ』『幼子の花束』(タイトルは吉田新一氏の訳)はその代表作と言われている。後年は、壁紙、モザイク、敷物などのデザイナーとして活躍をした。マンチェスター美術学校の校長なども歴任したということである。

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『FLORA'S FEAST』(花の饗宴)  1889年  初版   92,000円
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 花を擬人化して淡彩で描いている。この絵本について堀内誠一さんは「・・・試みに絵の部分だけ周囲の飾りの中から抜きだしてみてもいい。すっきりしたクレーンの本質は、クライドルフを先駆する『はなの女王の饗宴』(本書)に見られるように、愛さずにはいられないチャーミングな要素だけでできている。・・・・」(「絵本の世界110人のイラストレーター」福音館書店)と書いている。この絵本は袋綴じで、珍しい一冊。文字も飾り字のようで、クレーンの手書きで、絵の色合いも素晴らしい。
 状態は良好。

『LEGENDS for LIONEL』(ライオネルの話)
 1887年  初版 75,000円

 この絵本も、装飾的な絵本の多い中にあって、クレーンにはめずらしい、素描に淡彩の色をつけたものでる。ユーモアにあふれたライオネル少年の愉快な話。当時のカラー印刷は、次ページに重ね刷りができないため、一頁置きに印刷された、珍しい綴じの絵本。

 


『The Golden Primer』(言葉遊びの教本) 
出版年不明  38,500円

 これは幼い子どものための、ことばあそびの教本。文は韻を踏んでいて、リズミカルで簡潔である。装飾的なクレーンの絵はユーモアあふれ、とても楽しい。絵の中には絶妙なバランスで文字が配されている。エヴァンズの手によって印刷されたもの。
 状態はとても良好


『THE BABY'S OPERA』(幼子のオペラ)
  プリント版  5,300円

 この「幼子のオペラ」は1877年に出版された。本書はその新装版である。古いわらべうた(36編)にクレーンの装飾的な挿し絵がはいっている。歌には楽譜が着いている。
 状態は良

 


『BABY'S OWN AESOP』(幼子のイソップ) 
オズボーン・コレクション復刻 2,000円

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 お馴染みのイソップ寓話が、一話、一話がクレーンの装飾絵の中に描き込まれている。本物は1887年に出版された。本書は昭和55年に、ほるぷ出版からオズボーンコレクションの一冊として復刻されたもの。
 状態は良・ケース無し


 

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